先日まで大都会此花区に勤務していたが、栄転と相成り現在は孤島大正区の南端に毎日長距離バスで通勤している。社屋は新しく快適だが、昼休み、近隣に飲食店があまり無いため苦労する。なので、会社が利用している弁当配達サービス(給食)を僕も利用することにした。
最初から利用すれば良かったのだけれど、正確には僕はこの会社の職員ではなく常駐出入業者なので仕組みがわからなかった。また、内勤の多くは弁当を持参していたので、この給食を使う人自体が数人しかいない。誰が窓口・担当なのかもよくわからない。
「そこにマルしときゃいいんだよ」
利用者はそう言う。入口通路の横に表が書いた紙が無造作に置かれてある。日付の行と名前の列。要らない日もあるかもしれないので、毎朝、マルをつける。この表を元にして、後日集金がある。でも突然、ここに名前を連ねてマルしても大丈夫かな。
「いいんじゃない?」
と軽く言うけれど、やはりよくわからない。毎朝、誰かがこれを給食会社にファックスしているんだろうか。何時までに? 一応、その人にも断りを入れる必要があるんじゃなかろうか。先方にも。突然増えたら困らないか。……てなことをウダウダと話したり考えたりしてたら、別の人が教えてくれた。
「あれはね、弁当を車に沢山積んでるの。集計してから配達するんじゃなくて。だから大丈夫」
ああ、なーるほど! そっかそっかー。そりゃそっかー。
配達の人は、ここに来て、初めて必要な数量を確認する。もうその時点で弁当を多数抱えている。当然、他にも色々行っているから、日々増減するだろうし、それをいちいち集計しても仕方無い。廃棄前提で充分な数を用意して、それで必要な数を置いていく、と。合理的(廃棄は宿命的に出るけど)。
よく考えればごく当然の話だけれど、想定していた商流・物流が違うと楽しい気分になれるので、それだけのお話でした。
この給食、味はまあ普通だけれど、おかずの種類はとても多い。これで一食、360円だったか。勿論、普通の弁当屋じゃできないし、配達もしてくれない。まさしくセントラルキッチンの為せる技。
だとすれば。僕がこうして給食の常連利用者になることにより、理論上、コストがまた一つ軽減したと思われる。事実、僕が注文する前は「あんまり美味しくないよ」とみんな言っていたけれど、僕が注文し始めてから、そんなに美味しくない、ものにはあたってないもの。質が上がったのではないか。
給食は、一種類だけ。近隣で利用する会社も、きっとこれ。だからとにかく、単純に注文量が増えれば、より品質が上がる、という計算になる。社内で、社間で、利用者である我々が給食の更なる普及を呼びかけることでどんどん美味しくなるのではないか。それって、売り手と買い手が対立して駆引きするのとかでなく、シンプルでいいじゃん。美味しいおかずに当たるたび、何処かで誰かが僕のように、新しく弁当を使い始めたのだと思うことに。
2018年2月27日追記
……と追記するほどの話ではございませんが。弁当は、早くも朝の10時前には配達が完了する。お昼休みは12時から。弁当の箸袋には「13時までにお召し上がりください」とある。御飯のケースとおかずのケースのふたつにわかれていて(あとはインスタントの味噌汁の小袋)、御飯だけ備え付けの保温機に置かれる。なので、弁当といってもおかずは作り置き、すっかり冷えていて、人によっては電子レンジで温める。その際は、事前にふたを開けておかずをチェックする。ソース類や、もずく、などのケースを外す。他にもサラダ類など温めない方がいいやつもあるけれど、これを分類するのは容易ではないため、その辺は諦める。あくまで、冷えているのが標準。
で、思ったんだけど、より美味しくいただくには配達された瞬間に食べる、のが良いのかなと思いました。今だッ、弁当を使え! 2時間ほど、出来立てに近い。配達の人、びっくりしそうだけど。最早朝ごはんだけど。そっか、なので2つ注文すればいいんだ。朝起きたばかりは食欲ないし、会社についてから10時頃に食べて、昼は15時くらいに食べたら(推奨時間ではないが)、夕方残業があっても耐えられそう。裁量弁当制。
と、さっき配達された弁当を見て思いました(配達の様子がわかる場所に席がある)。